日銀のETF買いの背景と今の基準




日銀のETF買い入れは、当初年間約4500億円の増加を目途に始まり、

2013年4月に約1兆円2014年10月に約3兆円2016年7月には約6兆円に増大しました。

2020年3月にコロナ禍への対応として、「原則約6兆円」、当面の間の上限が「約12兆円」

となりました。

2021年3月の見直しでは、この「原則約6兆円」の部分が撤廃され、「上限約12兆円」の

部分のみ残す方針となりました。

日銀はこの変更の際、政策の機動性、持続性を強化した。と説明していました。

日銀はETF買いを”金融政策“として実施しており、「株式市場のリスクプレミアムに働きかけるため」と説明しています。

言い直せば、株価が急落すると国民の心理が悪化、行動が委縮してしまい、

物価どころではなくなるので、市場を落ち着かせるためにやっている。でしょうか。

以下は日銀のETFの買い入れ金額の推移です。

年度ETF買い入れ額
2011年0.8兆円
2012年0.6兆円
2013年1.1兆円
2014年1.3兆円
2015年3.1兆円
2016年4.6兆円
2017年5.9兆円
2018年6.5兆円
2019年4.4兆円
2020年7.1兆円
2021年0.9兆円
日銀のETF買い入れ額

2021年の買い入れ総額は「0.9兆円」、前年2020年の「7.1兆円」から激減しています。

日銀は、2021年3月までTOPIXの前引けが前日終値から-0.5%以上下落した日に買い入れをおこなってきました。

ところが2021年4月以降、この条件を変更したようです。

2021年4月以降、TOPIXの前引けが前日終値から-2.0%以上下落した日

買い入れをおこなっているようです。

これは投資界隈でもめちゃくちゃ話題になりました。

この発生確率は2011~2021年の間では約3.2%であります。

ということは年間7日~8日程度しか起こらないということになります。

最近は、日銀が出動する際、「1回あたり701億円」分購入していることから、

今後は年間0.5~0.6兆円くらいになっていきそうですね。

日銀総裁の黒田総裁(通称:クロちゃん)は

「(今後も)ETFを必要に応じて断続的に買い入れる。買い入れを減らしたり、

出口を考えたりしているわけでは全くない」と説明しています。

これだけ買っちゃったら、出口はないものだと思ってますが、、、

今後5年、10年、20年後、日銀がどのように動いていくのか要チェックです。